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誰にとっても人生は突然――映画『カーテンコールの灯(あかり)』
現在上映中の映画 『カーテンコールの灯』 は、打撃を受けた人生がどのように再生していくのかを丁寧に描いた作品です。 *** 建設作業員として働いている男性・ダンが主人公。彼は作業中に激昂してしまい、それをたまたま見かけた女性に声をかけられ、地域の小さな劇団に誘われます。一...

心理臨床オフィス ポーポ
9月1日読了時間: 6分


訳書が刊行されました
3/13に、訳書が刊行されました。 ゲリー・L・ランドレス著『プレイセラピー 関係性の営み 原著第4版』(日本評論社) 、大学院時代の研究会仲間との共訳です。タイトルになっている“プレイセラピー”とは主に子どもを対象とした遊びによる心理療法のこと。...

心理臨床オフィス ポーポ
3月14日読了時間: 4分


人の奥底にある温かいものへの信頼――映画『スクール・オブ・ロック』(ネタバレあり)
映画『スクール・オブ・ロック』を見ました。公開当時に見て以来ですので、およそ20年ぶりの鑑賞でしょうか。有名作品ですので、ご覧になった方も多いかと思います。とにかく楽しくて元気が出る映画、という記憶でしたが、果たしてそれはその通りでした。...

心理臨床オフィス ポーポ
2月8日読了時間: 3分


ありがとう、さようなら
昨日で閉館となったシネマート心斎橋に行ってきました。最終日には行けなかったので、その前日に。 *** 最後は、イーニドソーダを飲みながら韓国映画『ノンストップ』を鑑賞するという、シネマートを凝縮!みたいな過ごし方を。 *** かってに復館を期待していた 旧テアトル梅田...

心理臨床オフィス ポーポ
2024年10月25日読了時間: 1分


「おもしろいからだと答える」
当オフィスで提供している心理療法の形態として、描画療法というものがあります。文字通り、絵を描くことによって心を癒やす方法です。何を描くのか、どのように描くのかは様々であり、描く人の必然性に応じて、それぞれの方法にたどり着くものです。 ***...

心理臨床オフィス ポーポ
2024年10月21日読了時間: 3分


言葉の力の光と影――映画『ビーイング・チャーリー』に見る、意志によるコントロールの不可能性について(ネタバレあり)
映画『ビーイング・チャーリー』は、『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナーが監督した、ある青年の物語です。 *** 主人公はチャーリー、父は海賊役を得意にしていた俳優で、現在カリフォルニア州知事に立候補して選挙戦の真っ只中です。母はそのような父の活動に付き合いながら、どうも...

心理臨床オフィス ポーポ
2024年8月2日読了時間: 5分


小さな定住革命――雑草は抜かれなくてはいけないの?
このところ私が心奪われている、当オフィス卓上のエケベリアの鉢ですが、脇からなにかの草が生えてきました。この土は、植わっていた木が枯れたのでベランダに放置していた鉢から拝借したもの。ベランダに置いている間に、どこかから種が紛れ込んだのでしょうか。...

心理臨床オフィス ポーポ
2024年7月12日読了時間: 2分


亡霊は“亡”であり“霊”でなくてはならない――映画『ナイトメア・アリー』に見る心理療法のエッセンス(ネタバレあり)
(画像は20世紀フォックスDVD販売サイトより) 映画『ナイトメア・アリー』を見ました。ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの小説『ナイトメア・アリー 悪夢小路』を原作とし、ギレルモ・デル・トロ監督が映画化した作品です。 ***...

心理臨床オフィス ポーポ
2024年4月15日読了時間: 4分


心は分裂しスウィングする――木ノ下歌舞伎『勧進帳』
先日、京都芸術劇場・春秋座で木ノ下歌舞伎『勧進帳』を観てきました。お芝居というか舞台芸術全般に疎いので、楽しめるかどうかと心配しましたが、なんのなんの、とても心動かされる貴重な体験となりました。 *** 『勧進帳』は歌舞伎の演目として有名ですが、今回観たのは、木ノ下歌舞伎主...

心理臨床オフィス ポーポ
2023年11月18日読了時間: 4分


我々は他ならぬ私-たちである
心の中を覗いたり、耕したりする方法の一つに、風景構成法と呼ばれるものがあります。このブログでも、何度か紹介したことがあります。 記事:カメラロールを眺めてみよう 記事:消えるものは消えるのか *** この風景構成法に関する本が誠信書房より出版されまして、私も一章、執筆しまし...

心理臨床オフィス ポーポ
2023年10月28日読了時間: 1分


人間でいるのはとても大変――映画『こわれゆく女』と『かぐや姫の物語』
ジョン・カサヴェテス監督の映画『こわれゆく女』を見ました。この映画は、ある一人の女性が“こわれゆく”プロセスを描いたものです。ここで「こわれゆく」に“”をつけたのは、誰が彼女がこわれているとみなしたのか、または、何が彼女をこわしたのか、というところがポイントになっている映画...

心理臨床オフィス ポーポ
2023年8月5日読了時間: 3分


二重らせんの果てなきダンス――映画『イニシェリン島の精霊』について(ネタバレあり)
映画『イニシェリン島の精霊』を見ました。まだまだ上映中の地域も多い映画ですから、これから見ようと思っておられる方々、以下、ネタバレ注意です。 *** 映画の舞台であるイニシェリン島は、アイルランドにあるとされています。ここでは、動物の世話をし、14時になったらパブに行ってビ...

心理臨床オフィス ポーポ
2023年3月4日読了時間: 4分


“ない”がある
昨年の9月いっぱいで閉館したテアトル梅田の現在です。 写真がうまくないのですが、空洞になったまま、今もそこにあります。 テアトル梅田の閉館については、以前に『消えるものは消えるのか』という記事を書きましたが、その灯は消えたものの、消えたものとしてそこに存在しているということ...

心理臨床オフィス ポーポ
2023年2月11日読了時間: 3分


命が命を慈しむこと-映画『私は白鳥』について(2022.10.21一部加筆)
配信で、映画『私は白鳥』を見ました(画像はHPより引用)。富山に住む澤江さんが、越冬に来る白鳥を追い、撮り、声を交わし合う姿を4年にわたって取材した映画です。 *** 映画の中心になっているのは、羽の折れた一羽の白鳥と澤江さんとの交歓。ここでの「交歓」とは、喜びだけでなく、...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年10月17日読了時間: 3分


消えるものは消えるのか
様々な人や物が、急に消えてなくなってしまうことが相次いだ数ヶ月でした。 いくつものそういった体験の中から、ここに書き記しておきたい二つのことを。 *** 精神科医・中井久夫が亡くなりました。8月8日のことです。多方面で活躍した人ですが、この記事にあるとおり風景構成法の発案を...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年9月10日読了時間: 2分


この世はいつもstrange --映画『幸福路のチー』について
「srange」という英単語を習ったのは中学生の頃だったでしょうか。この言葉を知った時、私は大きな安心感に包まれたのを覚えています。海外の人もこういった“なんか変”を感じるのだ、と。 *** 「strange」という単語は、「変」「奇妙な」と訳されることも多いですが、「なじ...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年7月2日読了時間: 2分


生きることの虚しさと輝き--『mid90s』の繋がれないつながり
見たいと思いながら見逃していた映画『mid90s』を鑑賞しました。俳優のジョナ・ヒルが監督を務めた映画で、スケーター映画として、また90年代のファッションや音楽へのノスタルジーをまとった作品として宣伝されていたものです。...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年5月21日読了時間: 3分


受け継ぐことの難しさと尊さ――大阪中之島美術館『Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―』について
大阪・中之島にあらたに開設された大阪中之島美術館に行ってきました。現在、『Hello!SuperCollection 超コレクション展 ―99のものがたり―』という特別展を開催中です。 この展覧会は、開館までに40年をかけて大阪市が収集してきた美術品を総まくりできるような内...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年2月24日読了時間: 2分


<私>として生きることの煩悶――カール・テオドア・ドライヤー『裁かるゝジャンヌ』について
少し前のことですが、テアトル梅田のカール・テオドア・ドライヤーセレクションを見に行きました。カール・テオドア・ドライヤーはデンマークの映画監督で、20世紀初頭から中後期にかけて活動した人。つまり、無声映画からトーキーへと、谷を越えるように映画制作をした人です。...

心理臨床オフィス ポーポ
2022年1月31日読了時間: 3分


私は共同体にどのように接続されるのか--『この世界の片隅に』について
『この世界の片隅に』という映画があります。大ヒットロングランでしたし、テレビでも放映されましたので、ご存知の方が多いと思います。 この映画は、いわゆる反戦メッセージを含んだものとして、また“そのわりに説教くさくない”ものとして語られることが多いように思います。戦時下にありな...

心理臨床オフィス ポーポ
2021年10月19日読了時間: 5分
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