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読書メモ:野間俊一(2012)『身体の時間——<今>を生きるための精神病理学』筑摩書房

 うつ病、解離、ASD、摂食障害、自傷の症状のあり方の時代的変遷から、現代の時代精神を「コントラ・フェストゥム」として取り出す。


 「コントラ・フェストゥム」とは、精神科医・木村敏の「ポスト・フェストゥム」「アンテ・フェストゥム」「イントラ・フェストゥム」から着想されたもの。これらは生命の祝祭性と、それとの関係の取り方によって人間の存在構造を分類したもので、それぞれ、完了態の中に生きる様式、未決の可能態に生きる様式、生命の噴出そのものに生きる様式である。このうち「イントラ・フェストゥム」は量的なものであるので、対極にある生命から疎隔された状態を措定することができる。これを野間は「コントラ・フェストゥム」と名付け、現代人の特徴であるとする。


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 ここで面白いのはトラウマにおけるフラッシュバックの取り扱い方で、これはもちろん主観的体験としては苦しいものであるのだが、コントロールしようとすると「コントラ」となって余計に反逆される。そうではなくて、「イントラ・フェストゥム」の現れであると捉えることで、受動から能動へと転じる主体発現の契機ともしうると主張する。これは、多くのトラウマ治療論ともつながるところであろう。それが慎重を要する作業を伴うことは言うまでもないが。 


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 そう言えば私の卒論は木村敏の存在構造論から対人恐怖を理解するというものであったことを思い出した。



<参考文献>

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