

読書メモ:ブランケンブルク(1971/1978)『自明性の喪失――分裂病の現象学』
破瓜型(解体型)統合失調症の本態は、自分にも他者にも生命にもこの世界にも親しみを持ちにくいこととし、これを「(自然な)自明性の喪失」と名付けたブランケンブルクの書。今回、たまたま必要があって読んだのだが、院生時代以来なので20年ぶりぐらいか。あの頃よりは面白く読めた気がする。 *** アンネ・ラウという20歳の女性の症例から、統合失調症における「自明性の喪失」がどのようなものであるのかを多面的に分析する。 自明性を失うと生命に親しめ「ない」、他者との間が「ない」ゆえ間主観性が成立し「ない」、したがってコモン・センスが成り立た「ない」、というように、否定の形でしか存在を記せないのが自明性であり、経験論的にも超越論的にも”自分”を支えるようなものである。 大きなものに根ざしつつ自分を分けて析出していくという点では、木村敏の存在構造論はもちろんだが、河合隼雄が『心理療法序説』において心理療法の一つの極みとして仄めかした自然(じねん)モデルを想起させるところがある。「コモン・センス」論としては中村雄二郎『共通感覚論』なども思い出す。そして、國分

心理臨床オフィス ポーポ
23 時間前読了時間: 2分








